Winter sky.
先日のイベントにて、
お作りしたブックカバーの傍に見本を置いていました。
中に入れていた「高村光太郎詩集」の冬の詩のページに栞を挟んでいました。
今日改めて見返すと、その詩は私が生まれた日と同じ日に作られたという事を知り、
なんだか胸がきゅっとした冬の朝です。
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冬の言葉
冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が洗ひ出すのは万物の木地。
天はやつぱり高く遠く
樹木は思ひきつて潔らかだ。
虫は生殖を終へて平気で死に、
霜がおりれば草が枯れる。
この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを
冬はいきなり蹂躙する。
冬は 凩 の喇叭を吹いて宣言する、
人間手製の価値をすてよと。
君等のいぢらしい誇りをすてよ、
君等が唯 君等たる仕事に猛進せよと。
冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が求めるのは万物の木地。
冬は鉄碪を打つて又叫ぶ、(かなしき)
一生を棒にふつて人生に関与せよと。
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良い冬の一日を…
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